サロンの名刺や印刷物にこだわりたい! 活版印刷を使ったオープンサロンツールをご紹介
サロンを新しくオープンするにあたり、必要になる名刺・紹介名刺・ショップカード・スタンプカードなどの、サロンツール。せっかくならお客さまの財布に忍ばせてもらい、目に入るたび、サロンのことを思い出してもらえたらハッピーですよね。
とはいえ、オープン準備が忙しく、サロンツールまでなかなか手が回らない……というオーナーさんもいらっしゃるのでは。しかしサロンプロモでは、サロンオープンと同時にこれらのツールを制作することをオススメしています。なぜなら、サロンへの想いや熱量が一番高まっている状態をツールに反映できるから。紙やデザインなど、こだわりの詰まったツールが出来上がれば、オープンまでの苦労もふっとび、喜びもひとしお。手に取るたび、いつまでも、サロンをはじめた時の新鮮な気持ちでいられます。さらに、サロンプロモのデザイナーもそんな熱量をデザインに乗せられることに喜びを感じています。
今回は、オープンサロン様の制作実績について、デザイナー視点のエピソードを交えながらご紹介します。
case01. lys.(リース)様
オープン時期:2021年11月
場所:神奈川県横浜市
ジャンル:ヘアサロン
制作物:HP・名刺・ショップカード
横浜駅から徒歩約5分の場所に位置し、マンツーマンの接客で、プライベートな空間を大切にされているlys.様。北欧モダンを基調としたおしゃれな店内で、ほんの少しの非日常感とゆったりとした時間を過ごせるヘアサロンです。ヘッドスパなどのリラクゼーションメニューも人気。
制作のきっかけ
サロンの立地場所や建物、内装やコンセプトにいたるまで、しっかりとした意思とこだわりをお持ちのオーナー様。サロンオープンにあたり、HPのほか、必要となる名刺・ショップカードのことも、ご自身で色々お調べのうえで、サロンプロモにお問い合わせくださいました(HPもサロンプロモで制作させていただきました♪)。
名刺とショップカードのご希望は、箔押し印刷と活版印刷。
箔押し印刷とは、金箔・銀箔などに代表される箔をプレス機を使って熱と圧力で紙に転写する特殊印刷のことで、高級感を演出できます。
また、活版印刷とは凸版印刷の一種で、活字を並べて文章にした活版、組版を作り、それに塗料を塗って印刷するものです。凹凸のある仕上がりで、アンティーク感や手作り感を演出できます。もちろん、両方を組み合わせて制作することも可能です。
こうして、箔押し印刷と活版印刷の組み合わせをベースに制作が始まりました。
箔押し印刷から特殊印刷へ変更することに
ところが、お打ち合わせを進めていくと、箔押し印刷で使用する金箔のカラーよりも、少々「シックな雰囲気」をご希望であることが判明。箔押し印刷は金箔・銀箔などをプレスして紙に転写しますので、色や風合いをあまり選べません(折り紙の金色や銀色を想像してください。ピカピカのツルツルですね!)。
確かに、lys.様は北欧モダンを基調とした、アンティーク感のあるインテリアが並ぶ内装。金箔よりも少しくすみがかった色が、店内の雰囲気にぴったりでした。
そこで、箔押し印刷から路線変更。あらためて、特色印刷のゴールド色をご提案しました。特色印刷は通常印刷よりも割高ですが、色のバリエーションが広がります。ブロンズを混ぜたような、くすみがかったゴールド色も印刷可能です。ご提案の結果、特色印刷へ変更することになりました。
印刷方法が決まれば、紙選び
印刷する紙についても選択肢がたくさんあります。ポイントを整理して、順序立てて選んでいくことが、「理想の紙選び」のコツです。
まずは紙の色。種類がとても豊富なので、方向性を絞るため、まずはご希望を伺います。その結果、名刺は優しい雰囲気のスノーホワイト色、ショップカードはブルーグレー色で進めていくことになりました。ちなみにショップカードにブルーグレーを選んだ理由は、店内にブルーグレー色の壁紙を使用しているからだそう。サロンとツールのイメージがリンクする、とても素敵な選び方ですね。
続いて紙の厚さ。今回は活版印刷のため、紙の厚さが300g以上、もしくはクッション紙のような厚みが必要になります。活版印刷を使ってみたいという方は覚えておいてください!
最後に紙の素材。コットンや和紙など種類も豊富で、素材が持つ風合いもさまざまです。こちらも好みにはなりますが、こだわればこだわるほど、価格も高くなります……。
紙の色、紙の厚さ、紙の素材、そして価格。これらを総合的に判断して、最終的に数種類の候補をピックアップしてご提案しました。そして今回は、コットン紙(約350g)で、名刺とショップカードを色違いで使用することになりました。
サロンへの想いをデザインに詰め込む
いよいよデザイン制作に入ります。サロンのご要望やイメージに合わせ、オリジナルでデザインを起こしていきます。今回は、印刷方法や紙選びをじっくり検討したので、それらを引き立たせるシンプルなデザインで進めていくことに。
ロゴ、名前、住所、地図で構成されたデザインは、そのシンプルさゆえにフォント(書体デザイン)選びが大切になります。基本的には、複数の書体を組み合わせた「合成フォント」で進めていきます。和文フォントと欧文フォント、それぞれの特性を活かして組み合わせることで、より洗練された雰囲気に仕上がります。
私のフォント選びは、サロン様の客層をイメージすることから始まります。「どんなお客様が手に取ってくれるんだろう?」と、デスクで妄想の旅に出かけます。
lys.様のメイン客層は、30~40代の女性。
「年を重ねるにつれ、自分にとって大切なことが何かはっきりしてきた。派手でもなく、かといって地味でもない。洗練された中にも個性のスパイスが光る、ヘアスタイル・メイク・ファッション。今の自分が一番好きだと信じられる女性」
このようなイメージが思い浮かびました。
そこで、オーナー様のお名前には「筑紫Aオールド明朝」を使用。溜まりのあるアンティーク感に反して、モダンな印象も感じられる明朝体です。
きちんとしたサロンであるという印象付けをするため、本文には「新ゴ」をチョイス。装飾のないスマートなゴシック体です。小さなサイズでも可読性が高いので、私自身も好きなフォントです。企業のパンフレットにもよく使われています。「新ゴ」に合わせ、英数字は「Navigo」を使用しました。少し丸い形が「新ゴ」のビジネス感を和らげてくれます。
フォントが決まれば、文字サイズや余白の調整です。情報の整理はもちろん、ヌケ感を出すための大切な工程です。1mmでもズレると印象が変わってしまうので、いくつかパターンを試作して、ベストな組み合わせを探っていきます。
ショップカードでは周辺地図も作成しました。通常、周辺地図は、お店までの道順を分かりやすくするため周囲の情報(店舗、路線、道路名など)を細かく掲載する場合が多いです。しかし、どうしてもビジネス感が否めません……。
そこで、今回はオーナー様から頂いた店舗情報のみを掲載。実際には横浜駅からの道のりには橋があり、周囲には川が流れていますが、その情報は思い切ってばっさり省略しました。さらにヌケ感を出すために、一種類の線で構成し、線幅で道の大小を表現。こうして、シンプルながらも必要な情報がしっかり伝わる地図に仕上がりました。
現物を確認するまで、ずっとドキドキ
デザインの最終確認を終えて印刷会社に入稿すると、印刷作業に入ります。サロン様のお手元には、約1~2週間で届きます。サロンプロモの事務所にもサンプルが届くのですが、実物を確認できるのはその時が初めてなんです。なので、実際に刷り上がりを確認するまで、ずっとドキドキしながら過ごしています(笑)。
納品が完了すると、制作は無事終了です! こうして、サロン様のこだわりが詰まった世界に一つだけの名刺とショップカードが完成しました。デザイナーにとっても、試行錯誤してオーナー様と一緒に作り上げたツールは、思い入れの強いもの。まるで自分の子どものような感覚です。どうかこの子達が、サロン様を見守り、時には大きな力になってくれることを祈っています……。
名刺やショップカードを御所望であれば、ぜひサロンプロモにお問い合わせください! サロンの雰囲気にぴったりの、世界にひとつしかないデザインを、弊社デザイナーが心を込めて制作します♪
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