災害対策はできていますか?美容室がとるべき防災の備え ー地震編ー

コラム

「もしもサロン営業中に災害が起きてしまったら、どんな対策をとればいいんだろう……」
突然のゲリラ豪雨や地震、火山噴火など、日本列島ではさまざまな災害が起きています。
前回は台風がやってきた時、美容室はどのような備えをしておくべきなのかについてお話しました。

▷災害対策はできていますか?美容室がとるべき防災の備え ー台風編ー

いつ大地震が起こるかわからない中でのサロン営業。
もし、今、グラッときたら?
どうやって避難しますか?
避難経路は確認できていますか?
お客様やスタッフの安全を確保できますか?
いざという時に慌てないために、地震防災対策を見直してみましょう!

画像出典:気象庁 最新の地震活動データ
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/index.html

地震大国の日本では、日夜問わず地震が頻発しています。
リアルタイムの地震活動データを見ると、震度1や2の小さなものであれば
日本列島全体の広範囲で発生していることがわかります。

参考:防災地震Web 24時間以内に発生した地震
http://www.seis.bosai.go.jp/

それではサロン内にいる時に地震がきたら、どんな行動をとればよいかを見ていきましょう。

出典:気象庁 震度階級
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/index.html



地震発生時

地震が発生したら、天井や階上からの落下物に気をつけながら、なるべく部屋の中央で身を伏せます。
お客様には可能であればカウンター、シャンプー台やカット台の下に潜っていただきます
(揺れが強いと鏡が割れることもあるので注意)。
クッションなどがあればそれで頭を守りましょう。

地震発生直後

揺れがおさまったら直ちにガス栓を閉め、窓やドアを開けて避難口を確保しましょう。
ビルの中にあるサロンさんだと、揺れで建物がゆがんでドアが開かなくなった場合、室内に閉じ込められてしまいます。
ガス栓を閉めるのは火災発生を防ぐためです。

また、周りに割れたものや転倒したものがないか確認します。
慌てて動いて怪我をしないように注意しましょう。

地震発生後

ラジオやテレビで正しい情報を入手します。
SNSでも様々な情報が飛び交いますが、中にはデマも多いため、正しい状況を把握し、避難が必要かどうか判断します。
役場から避難指示や勧告が出たら、直ちに避難しましょう。
ただし目に見えて危険が迫っていると判断できる場合は、役場からの指示を待たず、ためらうことなく避難してください。

避難は原則として、お客様とともに徒歩で行います。
車を使うと渋滞を引き起こし、消防や救急活動に支障をきたすことがあります。
また道路が陥没したり、建物の倒壊、土砂崩れなどの可能性もあり、危険です。
避難場所は最寄りの小中学校や公民館であることが多いですが、
前もってサロンから避難場所までの道のりを確認しておくと安心です。

なお、非常用バッグを持つ人、施錠する人、お客様を誘導する人など、各スタッフの役割をあらかじめ決めておくことで有事の際の行動に迷いがなくなります。
安全な場所に避難してから、お客様の薬剤やシャンプーを流すなどすればよいでしょう。


津波被害が想定される地域では

沿岸など、津波がくる可能性のある立地の場合は、即! 高台に避難しましょう。
津波は海底から海面まで全ての海水が大きな塊となって沿岸に押し寄せます。
1度目の津波よりも、2回目、3回目の方が大きな波になることもあり、予想をはるかに超えて襲ってくることもあります。
数分の決断が明暗を分けます。

重要なのは、津波がサロンに到達するまで大体どのくらいの時間を要するか、事前に把握しておくことです。
各自治体のハザードマップを見るなどしておきましょう。
そうすると、たとえば「あと10分で津波が迫ってきますので、避難します」とお客様にもアナウンスができますし、安心して冷静に行動することができます。
津波は迫ってくるスピードが早いため、シャンプー中やカラー中だとしても、とにかく髪もクロスもそのままで、避難を最優先させましょう。

近くに高台がない場合は、“津波避難ビル・水害時避難ビル”に指定されている建物に避難します。
津波避難ビル、水害時避難ビルを示すステッカーが貼られているビルが該当の建物です。
全国の沿岸自治体のHPでも確認することができます。
(画像は弊社事務所のある、大阪市のもの)

出典:大阪市HP 津波避難ビル・水害時避難ビルステッカー
https://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000138173.html



地震が起きる前にできること

地震が起こった時、とっさの出来事に冷静な判断ができる人はそれほど多くないでしょう。
ですが、日頃から少しでも地震や災害に対して気をつける意識を持つだけで、かなり行動は変わってきます。
可能なら、地震が起きたと仮定して、サロン全体でシミュレーションや防災訓練を行うのもいいでしょう。

日頃からしておきたいこと
・避難場所を確認する
・高台の場所、津波避難ビル・水害避難ビルの場所を把握
・非常口をスタッフ間で共有しておく
・落下物を取り除く
・災害発生時のスタッフの役割分担を決めておく
・非常用持ち出し袋を用意する
・地域コミュニケーションを強固にしておく
・スニーカーやヘルメットを用意しておく

非常用持ち出し袋について

避難所でしばらく過ごす場合は、非常用持ち出し袋がとても役立ちます。
下記に、最低限あれば良いと思われる中身をざっと羅列します。
また、施術中に避難してきたお客様の薬剤やシャンプーを流すための持ち出し袋の中身もご紹介します。
実際に何が必要かは、サロンの立地やスタッフの人数で大幅に変わってきます。
この記事を1つの参考に、サロンオリジナルの非常用持ち出し袋を用意してください。

非常用持ち出し袋の中身
1.マスク
2.給水袋 
3.災害用トイレ
4.歯ブラシ、ペーパー歯磨き
5.絆創膏、消毒液、包帯
6.乾電池
7.懐中電灯
8.緊急用呼子笛(身元確認用のIDカードつき)
9.除菌ウェットティッシュ
10.乾電池式のスマートフォン充電器、手回し充電器
11.はさみ、多機能ナイフ
12.携帯エコバック
13.500mlの保存水 
14.エマージェンシーブランケット
15.携帯用発熱剤
16.レトルト食品、缶詰、栄養補助食品
17.敷物、レジャーシート
18.軍手
19.簡易食器類、ラップ、アルミホイル
20.生理用品

参考:トクする! 防災 備蓄の心得 避難所に持っていくもの
https://tokusuru-bosai.jp/stock/stock04.html

お客様の薬剤やシャンプーを流すための持ち出し袋
1.2ℓのペットボトル x 2本
2.タオル、クロス
3.ビニール袋(多めに)

地震は本当にいつ起こるかわかりません。
防災対策は“いつかやろう”ではなく、気がついた時にやりましょう。
そして、有事の際の避難はチームワークが非常に大切です。
スタッフの意見を取り入れながら、全員で災害対策について話し合うことで、サロンの結束力も高めていきましょう。


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